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2012年12月13日

心が痛む本 レンタル・チャイルド

読んでいて、心が痛くなった本だ。しかもノン・フィクションであることは、衝撃的だ。 2002年のインド、ムンバイ(僅かに10年前だ)、そこでは路上にたむろする女乞食が、乳飲み子を抱えて、通行人に喜捨を求めている。しかし、赤ん坊は自分の子ではなく、マフィアから借りてきた「レンタル・チャイルド」。赤ん坊は少し大きくなり、子供に成長すると、より憐憫を誘うために、手足を切断されたり、目を潰したりされている。また生きるために、自らマフィアに頼んでそのような体にしてもらう子供達もいる。信じられないような貧困地域で繰り広げられる凄惨な現実。仲間の死体をビニール袋に入れて運び、通行人からお金を求める乞食、自分の親の死体が金儲けに使われているのを、受け入れざるを得ない子供・・・ そうした子供達も生き残れば、やがて青年へと変貌していく。青年になれば喜捨をもらうことは、ますます困難になり、生きるために、今度はかって自分たちがマフィアにされたように子供達を傷つけ、路上で生きていくしかない。著者はそんな最貧層地区の実態を調査すべく、危険を冒して深層に迫っていく。 どうにもならない現実、抜け出せない貧困、そしてどんなに過酷な環境でも、家族や仲間との絆を守ろうとする人々・・・読めば読むほど苦しいが、考えさせられる本だ。


  


Posted by bhvqynqrcy  at 03:27Comments(0)